平成23年12月議会 一般質問


− 質問 −
 1.水道事業の経営改善について
 2.循環型社会形成推進基金について
 3.枚方市駅周辺再整備ビジョンについて
 

1.水道事業の経営改善について

今年3月の東日本大震災から9か月が過ぎましたが、被災地では今なお地震の爪痕が至る所に残っており、ライフラインの復旧も 完全とは言えない状況にあります。特に、生活に欠かすことができない水道については、今なお断水状態が続いている所もあると聞いています。  本市でも、普段は安定的に水道水が供給されており、我々も何気なく水道を使っていますが、いざ災害が発生すれば水道施設や水道管が寸断され、水道水の供給も止まってしまうのではないかと危惧しているところです。  枚方市の水道水の8割以上を賄っている中宮浄水場を見ても、老朽化した施設が立ち並んでおり、耐震化を急がなければと心配になるぐらいです。また、水道管等についても、地中に埋まっているので直接私たちの目には触れませんが、時には水の濁りや、路上で漏水が発生していることを考えれば、かなり老朽化しているのではないでしょうか。  私は、水道施設や管路等の耐震化や老朽化対策を確実にしていかなければならないと感じていますが、実際のところ、本市の水道施設や管路等の状況はどうなのか、また、事業をどのように進めておられるのか

答弁
本市の水道事業は昭和9年に給水を開始して以来、昭和26年からの第1次拡張事業をはじめとして、7度にわたる拡張事業を経て給水普及率100%を既に達成しておりますので、現在は設備拡張の段階から既存施設の維持管理・更新の段階に入っています。  水道部におきましては、これまでもその時々の必要性や緊急度合いに応じて施設や管路の耐震化工事や更新工事を行ってまいりましたが、中宮浄水場内の各施設をはじめ、配水場や基幹管路などもかなり老朽化しているのが現状で、現在は、平成19年に策定した水道ビジョンや水道施設整備基本計画に基づき事業を進めているところです。

質問
水道施設等の耐震化や更新工事については、平成19年に策定した計画に基づいて事業を進めているということですが、幸いなことに、水道事業会計はここ何年か黒字を続けているからこそ、事業もそれなりにこなせていると思います。 しかし、これから先、人口の減少により料金収入の減少が予測される中で、今後の事業展開を考えれば、やはり上下水道統合のメリットを活かして経営改善を進めていくことが重要だと思うのですが

答弁
本年4月に水道局と下水道部が組織統合して上下水道局になったことによりまして、総務部門や経理部門を再編整理するとともに、水道料金や下水道使用料などの窓口・収納業務も一本化し業務の効率化、市民サービスの向上を図っております。  今後も、上下水道統合による効果をより一層高めるため、現行の水道ビジョンや計画を見直し、新たに上下水道ビジョンや経営計画を策定し、水道部と下水道部が密接に連携して効率的な事業運営に努め、経営改善を進めてまいります。

質問
上下水道ビジョンや経営計画を作って、水道部と下水道部がそれぞれ連携して効率的な事業運営に努めるとのことですが、一番肝心の料金について、上下水道が統合されたにもかかわらず、料金体系が違うだけでなく用途区分についても、下水道使用料は2区分しかないのに対して、水道料金は5区分あり、市民にとって非常にわかりにくい。また、こういうことは事務的にも効率的でないと考えますが、この辺の改善をする予定はあるのかどうか

答弁
現行の水道料金の料金体系や用途区分に関しては、業務用への適用対象や逓増率の問題などいくつかの課題がございますので、今後経営計画を策定する過程で、現行料金体系等について十分な検証を行ったうえで、経営計画にその見直しの検討を盛り込みたいと考えております。

2.循環型社会形成推進基金について

本年9月議会での所信表明において、「市民と行政が連携した循環型社会の構築に向けて、循環型社会形成推進基金を創設する」とされております。 この基金の考え方や検討内容についてお尋ねいたします。 平成20年度の予算委員会におきまして、ごみの収集や処理施設の維持・整備には多大な経費が必要であること。このことをぜひ市民にご理解いただく必要があると考えていること。そして、その解決手段の一つとして基金をつくることについて検討していただくよう要望いたしました。  今回示されました基金について、目的や内容についてどのようにお考えか

回答
現在、循環型社会形成推進基金の創設に向けて検討を進めているところです。  基金の目的や内容などの考え方については、ごみの適正な分別排出など、市民が市のごみ処理にご協力いただき、そのごみの処理過程で生じた資源物の売却収入等を財源として基金を創設し、市民に還元する施策に拠出することで、市民の協力や努力が「見える」「還元できる」しくみつくりを考えております。  このことで、より一層のごみの減量と再資源化を図り、循環型社会の形成を推進していきたいと考えております。  今後、できるだけ早期に基金の創設ができるよう、課題の整理を進めていきます。

要望
現在は、基金の設立に向けて課題整理を進めておられるとのことです。  わたくしは、平成20年度の予算委員会でも申しましたとおり、ごみの処理施設やごみの収集などのランニングコストも含めて、その財源について基金を積み立てていくということも、ひとつ必要ではないか、というふうに考えております。  所信表明には、基金の創設と併せてリサイクル工房の整備や事業系ごみの改定と一般家庭ごみの有料化の検討も示されております。  将来的に、ごみの有料化になりますと、市民からは、例えば税金の二重取りではないかなどの声がでることも考えられます。 そのような声も含めて、全市民的には、やっぱり、ごみ収集についての維持経費や清掃工場の維持・整備など、そういったことに使っていく基金として創設するんだというふうなことも考える必要があるのではないかと思います。 そういうことも、ちょっと視野に入れて、基金の在り方を十分検討していただければというふうに思いますので、要望をしておきます。

3.枚方市駅周辺再整備ビジョンについて

私は、枚方市岡本町で生まれてから、現在まで、ずっと同じ場所で暮らしてきました。 この40年間で、枚方市駅周辺は京阪沿線の中で大きな発展を遂げ、行政の並々ならぬ努力の上に、この枚方市駅周辺は非常に良い街並みが整備されてきたと思っていますし、成熟した街並みでもあると思っていますが、先般、枚方市駅周辺再整備ビジョン策定の説明では、課題として3点があり、解決のための様々な検討を行うとされています。その課題解決の方向性について伺います。 まず、商業施設の活性化(駅周辺のにぎわいの創出)で、集客力の低下と掲げられていますが、その原因について、どういう認識をお持ちか   次に、交通環境の改善(快適な公共空間の創造)で駅前広場への通過交通流入やタクシー待機などによる交通混雑とありますが、流入車両を減らすのか、駅前広場を拡張するのかなど現実的に何かの方策がとれるのか   最後に、都市機能の更新(まちのリニューアル)で、公共建築物や府公社住宅のなどの老朽化とされていますが、耐震化されていないという問題点もありますが、民間建築物も併せて行政がどこまで立ち入るのか

答弁
集客力の低下の原因に対する認識につきましては、一般的には、人口減少や少子高齢化に転じた社会情勢の変化や車社会への適応不足などが考えられます。 市駅周辺地域につきましては、基礎調査の市民意識調査結果から既存店舗等のリニューアルについて多くの要望があり、また、近鉄百貨店枚方店の閉店も明らかになり、今後、40万都市の顔にふさわしい賑わいが創出されるよう、大小の商業施設の魅力アップとそのために必要な施策等の検討を行っていく必要があると考えています。 次に、交通環境の改善の方向性についてですが、駅前広場自体の検討を行うとともに、通過交通の低減の方策やバス、タクシーの効率的な運用も含み、検討してまいります。   次に、駅周辺の民間建築物における耐震改修につきましては、駅周辺には昭和56年以前の基準で建てられた多数の者が利用する民間特定建築物等も多く存在するため、枚方市住宅・建築物耐震改修促進計画に基づき、引き続き、耐震化を促進し、都市機能の更新を図ってまいります。 また、建て替えをされる際には、魅力あふれる賑わいのある京阪沿線の中核都市にふさわしい風格と活力のある中心市街地の形成をめざし、理解と協力を求めてまいります。

意見と要望
私の子どものころの枚方市の賑わいの中心は、枚方公園駅周辺でした。枚方パーク、鍵屋、映画館、大きな料理旅館、今で言うヘルスセンター枚方温泉、等大いに賑わっていました。 そのころの、現在の枚方市駅周辺は、閑散とし、京阪電車の駅名も現在の「枚方市駅」は、「枚方東口駅」、「枚方公園駅」は「枚方駅」と呼ばれていました。 なぜ、枚方市駅周辺が発展してきたのか 私は、昭和37年【50年前】に市役所本館ができ、昭和40年代に中部土地区画整理事業地内に公的機関の集約を図って、官公庁団地としたことで、枚方市の街ずくりが、大いに進展したと考えています。 昭和45年から49年にかけて税務署、郵便局、北河内府民センター、等が次々に開所し、最後には、枚方大橋の袂にあった、枚方警察署が官公庁団地の一角に移転してきました。 このことで、街のにぎわいも創出でき、駅前も活気ずき人の流れが絶えない街となっていったとかんがえます。 それに合わせた「枚方市駅前再開発事業」が、昭和50年に完成し、 開かずの踏切の解消や、交通の流れを図るための「京阪連続立体交差事業」なども行われ、40万都市の風格を備えた街になったとおもいます。駅から歩行者専用道路で安全に市役所や官公庁団地にアクセス出来るようにした他の都市では見られない、都市機能が図られていると思います。 このような、経過と歴史を踏まえながら再整備を考えるべきと、要望すると同時に 総合文化会館の問題と新消防本部庁舎の問題が、市駅周辺再整備ビジョンの策定と供に、早期の課題となっています。 総合文化会館については、用地取得も行っており、総合福祉会館と文化会館の基本設計コンペまで実施したものですが、当時清掃工場の建設という大きな課題と比較し議会では特別委員会を設置し議論の結果、清掃工場建設を先行するとした経過があるものです。 その後、火葬場や市民病院といった市民生活に直結した事業を優先してきました、当時から文化会館の建設を熱望されてきた多くの市民や団体の方々には、「やっと、順番が回ってきた」と思われているのではないでしょうか、そんな方々の思いにも配慮して早期に進めていただきたい。また、現在の市民会館大ホールの跡地利用については、じっくりと腰を据えて検討すべきと思います。 また新消防本部庁舎建設については、地下道用地が開発公社保有地であり、利子ばかりが膨らんでいく現状、消防指令システムの更新期限と併せたデジタル化の計画からすれば、当該地で建設するとした結論は、ベターだと思っています。 新町の歴史街道、枚方宿地区のまちづくり協議会などに配慮され、修景に工夫を凝らしたもので整備されること、言うまでもありませんが、地元には、丁寧な説明をお願いしておきます。 消防本部庁舎の整備については、枚方市駅周辺再整備とは切り離して考えるべきであり、市民生活の安全と安心を最優先した考え方で臨んでいただきたい。 いずれにしましても、市で決められることは、早期に、ぶれる事なく実行に移すことが、重要です。 これで私の質問をおわります、

大塚光央

その他

Copyrightc 2010 SSKPC Service All Rights Reserved.